ブルガリア語

ブルガリア語
ブルガリア語(български (език) )は、ブルガリアの公用語. インド・ヨーロッパ語族のスラヴ語派南スラヴ語群に属する言語. 北マケドニアの公用語であるマケドニア語とはきわめて近しい関係にあるとされる. ISO 639による言語コードは、2字がbg, 3字がbulで表される.

ブルガリアのほか、ルーマニア、セルビア、トルコ、ギリシャ、ハンガリー、モルドバ、ウクライナ、ロシア、アメリカ、イスラエル、カナダなどで話されており、母語話者人口は900万人ほどである.

9世紀に考案され、長らくスラヴ系(南スラヴ系)諸民族の間で宗教・学問の言語として用いられた古代教会スラヴ語は、ブルガリア・マケドニア方面で話されていた、現在のブルガリア語やマケドニア語の祖となる南スラヴ語(古ブルガリア語)をもとにしており 、ブルガリア語自体も古い文語の伝統をもつ.

12世紀から15世紀にはより口語の要素を交えた中期ブルガリア語と呼ばれる文語による文献が数多く編まれたが、その後のオスマン帝国の統治下では教会がコンスタンディヌーポリ総主教庁のギリシア人聖職者たちによって支配されたためにギリシア語に押され、一時衰退を余儀なくされた.

18世紀後半に至ってブルガリア人聖職者の間からブルガリア語復興の機運が生まれ 、現代ブルガリア語のもととなる新ブルガリア語が形成されて、民族意識を高めオスマン帝国からの独立運動を支える役割を果たした.

音韻面では「」がほかのスラヴ語では他の母音に変化したり消滅したりしたのに対し、ブルガリア語では独立した母音として残っているのが特徴的である(もともとだったものがと同音になり1945年の正書法改正でにまとめられたものもある. 例:→). また「」はと発音する.

文法の特徴としては名詞や形容詞の格変化が痕跡的にしか残っておらず、後置冠詞がある. また動詞では不定詞が存在しない. これらの特徴はロシア語などのほかのスラヴ語と大きく異なり、ルーマニア語、アルバニア語、現代ギリシア語などと共通する面があるため、バルカン言語連合と呼ばれることがある(もちろん動詞の体のように、ほかのスラヴ語と共通する特徴も多い).

  • ブルガリア
    ブルガリア共和国(ブルガリアきょうわこく)、通称ブルガリアは、東ヨーロッパの共和制国家である. バルカン半島に位置し、北にルーマニア、西にセルビア、北マケドニア、南にギリシャ、トルコと隣接し、東は黒海に面している. 首都はソフィア.

    正式名称はブルガリア語で Република България. ラテン文字転写: Republika Bŭlgarija. 通称 България